道産子エンジニア

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再読:夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

今年の四月に映画が公開となっていて、今更ながら見てみようと思ったのだけど、今回はその前に原作を読みたくなったので先に読んだ。 夜行以来の森見作品となる。夜行についての記事はこちら。

blog.kaelae.la

再読となっているのも、この作品に出会ったのは今ほど本を読まなかった高校三年か大学入学前の春休みくらいだったと思う。 当時アジカンが好きでソルファのアルバムを買ったときに、中村佑介さんのこのイラストに惹かれたのだ。 再読して色々調べてたらまだまだ知らないことはあったし、前回と違い「四畳半神話大系」を見てるのでキャラクターたちの個性が十二分に楽しめてよかった。これを機に昔に読んで内容を忘れてしまっている本をどんどん再読していこう。

本の繋がりとタイトル

本の中ですごい好きなシーンが、古本市の神様が言ったこのセリフのところ。

父上が昔、僕に言ったよ。こうして一冊の本を引き上げると、古本市がまるで大きな城のように宙に浮かぶだろうと。本はみんなつながっている

このセリフのあと、主人公の「先輩」がそこで手に取ったシャーロックホームズの全集について、ホームズが「失われた世界」を描いたのはジェールヴェルヌの影響を受けているというところから始まり、その近くで別の人が読んでいる織田作之助の全集まで全てが繋がっているというシーンだ。

人は人から影響を受けて生き続けている。人がもっとも影響を受けるのは恋人や家族だろう。影響というのは似るということではない。自分はむしろ学校や会社で働く集団心理が苦手なので、周りの人がTwitterで「いいね」したら自分もしちゃうって普通にできる人は羨ましい。そうではなくて、 影響を受けるというのは自分の考えが相手の行為や思想によって少し変化すること だ。好きなものを好きになるも影響の一つだし、逆に自分はそうじゃないなと気がつくことも影響だと言える。

現代で人が創造する理由は「影響」でしかありえないだろう。どんなアーティストも自分が勝手に何かを思いついて、独りでに何かを創造するというのは、これだけ何も考えなくても情報が押し寄せる世界では起きにくいと思える。そう思うほど世の中は人の創造物に溢れかえって、便利で楽しくなっている。

さて、タイトルの夜は短し歩けよ乙女は何の影響だろうか。

www.youtube.com

調べればすぐわかるけど、「いのち短し恋せよ乙女」ってよく聞くフレーズをもじったもので、そのフレーズは1915年(!)に作られた「ゴンドラの唄」という作品の冒頭だった。このフレーズ自体は今もよく引用されているし(最近だとクリープハイプが歌ってたのを鮮明に覚えている)、2006年にこの本が初版なのでだいたい一世紀も昔から繋がってきて、この本のタイトルになってるってなんかロマンを感じないだろうか?


先輩と黒髪の乙女のちぐはぐな恋の御都合主義物語で、気持ちがほんわかするので読んでよかった。先輩のような男の気持ちの葛藤と乙女の好奇心が魅力的で、またいつか読み返すだろう。四畳半神話大系などを先に読むのもおすすめだ。再読したら映画を見るのが一層楽しみになったのでよかった。

個人的には映画の女の子より、原作表紙の女の子の方が好みなのだが、声が花澤香菜なので一瞬にして悩殺されるのだろうな。

読書所用時間:約5時間
オススメ度:★★★★☆

日本酒ナビゲーターを取得しにいってきた

そもそも日本酒ナビゲーターってなんやねんだとは思うので公式のリンクを貼っておく。

日本酒・焼酎ナビゲーターのご案内 | 日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

今年は唎酒師に挑戦するので、その前段階としてこれを取得しておいた。 取得はとても簡単で、日本酒学講師を取得した方が開催する講習会に参加するだけだ。 年に何度もいろんなところで開催されているのでチェックしておけばいつでもいける。

日本酒ナビゲーター・焼酎ナビゲーター認定講習会 | 日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

函館にいたときも知っていたし、開催していたのはあの鮨ひろ季の女将、名誉唎酒師の紺田さんだ。 函館にいる人はぜひ参加した方がいいと思う。

講師になる人は様々な経歴やユニークな人が多いので、会うだけでも面白い人が多いように感じる。 では、今回の参加レポートを載せておく。


今回参加したのはシュウ・サケ・コーポレーションの北山秀人さんが開催していた会。

SHU SAKE CORP.

会場

場所は品川の中延(なかのぶ)にある酒屋兼塾兼講習会場というなんとも不思議な場所だった。 中延は落ち着いた雰囲気の商店街で、気をつけて歩かないとお店は発見できない。

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進学塾や美容室も営んでいるという。酒屋は塾と隣り合っているというかくっついている感じだった。

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看板もこんな感じなのでぱっと見ではまず気づかない笑

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テイスティングをしてからお酒を買えるので、わからないけど試してみたいという人には嬉しいし、ただたくさん飲みたい人にはもってこいだろう。

細く薄暗い通路を入っていくと会場の入口が現れる。

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最後には杉玉があるので確信。

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味のある古めかしい家屋の部屋を改修し、そのまま酒屋と会場ができたような内装だった。

講習

すこし遅れてしまったためすでに講習は開始されていた。秀人さんの話し声でどんな人物か一発でわかるが、とても気さくで日本酒への偏愛を持った方だった。

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塾の先生をやっているのもあって、話がうまく、テキストの内容はいい感じに無視して噛み砕いて、いろんなエピソードと共に紹介してくださっていた。

酒造りの基本や酒の化学の話が基本で、ある程度日本酒が好きなら知っていることがほとんどだったが、最新の酒造りに関しての知識は持っていなかったので、とても有意義な座学だった。

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今回は味を利くための木戸泉、香りを利くための八仙というチョイスで、酒の利き方(これも函館で酒屋によくしてもらっていたので方法は知っていた)を教えていただいた。

試飲会

さてここからはシュウ・サケ・コーポレーションにある偏愛コレクションと待望のご対面である。

以前から気になっていた富久錦が造っているFuシリーズだ。ワインのような飲み口というのがよくきく謳い文句だが、ほぼ酒母のような味わいというのが近いかもしれない。

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基本的には青森のお酒が多いとおっしゃっていたが、いろんなところのお酒があって、どれも買って行きたくなるものばかりだった。 飲んだ数に勝るものはない。

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秀人さんは自分でお酒も監修しているらしく、それがこの「燗シリーズ」で「ふともも・うなじ・ちくび」の三種類がある。笑 注文をするときに 「ふとももをかんで」 とか 「ちくびをかんで」 とか合法的にいうためにこのネーミングにしたそうだ。 相当な変態だw(最高!)

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ちなみにちくびは蔵元の問題によって製造中止となっているので、伝説のお酒となってしまったそうだ笑

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「酒と器を楽しむ酒屋」 というから期待していたが、酒器の品揃えも相当なものだった。あまり紹介しないので現地でみてほしい。 中でもこのエッグシェルシリーズは近いうちに絶対に買うと決めた。持ち合わせがなかったので今回は見送り。 磁器なのだが、うすはりシリーズのように薄く、触ると丸で卵の殻のような滑らかさがあるのだ。

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二次会

中延から電車で移動、雪が谷大塚という場所に到着し、駅から歩いて3分でお店。

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二次会も秀人さんが経営する 「ちえのわ」 というお店だった。

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こちらもこだわりの日本酒と様々な料理が楽しめるいいところだった。

講習から半分ほどの方が参加し、料理と日本酒をさらに楽しんだ。 f:id:yuichi31:20170730195936j:plain

SNSに載せれないお酒とかも出てきてかなり満足した。料理もアイデアが面白いものや日本酒に合うものがしっかりと出てくる。

秀人さんの解説を含めながら好きなだけ飲んでいいという流れだったので少し飲みすぎた笑 f:id:yuichi31:20170730210707j:plain


総じてとってもいい機会だった。講習の認定証は後日うちに届くそうだ。
僕みたいな若者がこういう場所にいくと大人たちは可愛がってくれるので、すごく楽しめる。あとは座学をもっと勉強して、直接唎酒師の試験を受けにいくだけだ。