道産子エンジニア

あなたは何事にも頭角をあらわしたことがない。

「一番好きなドーナツは何?」は哲学

何気ない朝、象印のミル付き全自動コーヒーメーカーが唸りをあげ、俺は仕事でも散々やっているのに家でもコーヒーを錬成する。(あなたといつも。JAVA)

我が家の朝食は一緒にいる時間で、最も自由にお互いの世界を満喫する瞬間だ。

俺は基本的に米食だが、嫁はパン食らしい。無理して食べたくないものを食べるより、気楽にいこうではないかというスタンスだ。

俺は宗教上の理由から毎日パンを食べられない体だ。たまに食べるときはスライスチーズとベーコンを乗せないと神が許してくれない。(なお無宗教)朝から〜は食べれないという謎の宗派をよく見かけるが、ステーキだろうがなんだろうが食べれる俺としてはこってりを良しとしている。朝は最もエネルギーが必要なのにフルーツやシリアルで誤魔化すなんて、体に失礼というものだ。

いつものごとくこってり豚キムチを作った俺の前で、嫁はコンビニのドーナツを出したのだった。バターと卵で練り上げた砂糖たっぷりの小麦粉の塊を油で揚げ、さらにチョコレートをかけた代物だ。カロリーは俺の朝食に匹敵する。申し分ない。ここまで約200msで算出し、負けじとカロリーを摂取する俺に天啓が舞い降りた。いや、嫁の一言だった。

「一番好きなドーナツ何?」

一瞬、時が止まった。

これは推しアイドルは誰か?のような質問とはわけが違う。会えるアイドルはいても食べれるアイドルはいない。

ドーナツは概念だ。 その美味さは大脳皮質に直接届く。

上で書いたような材料の説明はドーナツのほんの一面であって、その存在はただの食べ物以上に私達を幸福へと導く。 中心の穴を通じて見える世界はこれまでと違う。

ドーナツの種類は膨大だ。ショーケースで見るたびに息を呑む。どれを選ぶかというのは気分というより生き方の違いだ。そして人生が変化するのと同じく、ドーナツの選び方も変わる。幼いときにはつぶつぶの色々なものがついたのが豪華に見えてワクワクした。より強い自我を獲得してからはパイとかいう洒落たものも試したくなった。成熟するにつれてオールドファッションの完成された美しさに惚れ込んでいく。俺の地元では60円だった。幼いうちにオールドファッションとかいうとスカしたやつだと指を刺されるから気をつけたい。

どれが一番好きなんだろう。 考えるほどわからない。

答えかねて嗚咽をもらし、ようやくでてきた一言は「ぱないの。」

ミスタードーナツ


このブログは象印、オラクル、ミスタードーナツ、西尾維新の提供でお送りしました。