道産子エンジニア

悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する

「わかりやすい」文章を書く全技術100を読んだ

「わかりやすい」文章を書く全技術100

「わかりやすい」文章を書く全技術100

常に自分の文章はわかりにくいのでは?と推敲することが多いので補強程度に読みたかった。 以前、煎茶パイセンにブログが読みにくい言われたので、もう少し読み手を意識したブログにせねばと試行錯誤してきたのでというのもある。

強調、引用、見出しといったマークダウンを使っているとできる構成の工夫はだいぶ身についてきた。がそうではない、文の構成を使ったわかりやすさの表現について色々書いている。基本は、「短く、細かく、意味が分かりやすく」というものだが、ほかにもあった。
例えば

  • 接続詞や指示語で文の関係を上手く表現する
  • 文の切れ目、語順、修飾位置の工夫
  • 長い修飾語、短い修飾語をどう使うと効果的か
  • 副詞のおさめをちゃんと使おう
    (「決して」と書き始めたら、「〜ない」で終わるとか)

などなどだ。自分が普段からやってしまっているハッとしたことは

  • 「煮詰まる」は「行き詰まる」というマイナスの意味ではない
  • 「ような」の多用
  • 「まず最初に」のまずは不要
  • 「各〜ごとに」のごとは不要

みたいな無駄が多い文章だったり、日本語を間違って使っていることだった。もっと正しい日本語について学ばないと恥ずかしいな...
一昨年までは「日進月歩」も「日々少しずつ」的なニュアンスだと勘違いしていた。

また、この本を読んでよかったのは

文(語句)の構造=文中のそれぞれの要素が、互いにどのように関係しているか

に気づいたことだった。これまでは書きたい内容を並べるだけの構成だったけど、ハウツー的な記事を書いているときはそれぞれの関係性をもっと意識したらいいなと勉強になった。

プログラム言語を書いているとはいえ、僕らは ある言語を使って人が理解できる文章を書いている のには違いないので役立つと思う。 ただし、プログラミング言語は文章ではないのでそのまま役立つわけではないとは思うけれども。

わかりやすさとポエムのバランス

この本は文章を人間の構造上「わかりやすく」する方法について書かれている。それはそれで結構なことだし大切な技術だと思う。しかし、 以前の記事で自分はあまり「わかりやすい」文章を書くように心がけたくないと書いた。それは泥臭い自分の文章も好きだし、何がその時できていないのか残しておきたいからというのもある。ブログは 便利なことを書いているリファレンス だけじゃない。日々の何でもないことを残している文章もあるし、買ってよかったものを紹介したり、開発について書いていることもある。なのにあまりにも構成をガチガチに固めた文章に慣れすぎてしまって、長い文章を読めなくなってしまうのは勿体無い。

俺の肌感では、 目次や見出し構成などがないと文章が読めない人=小説を読まない人 が多い。何かのハウツーを書いている記事と、心のポエムを書いた小説に近い記事では明らかに読むときの心構えが違う。 ブログは不特定多数の人に向けて書かれるので、けんすうさんが書いていた

日記がポエム化していく

というのがよく分かる。でも最近はこのポエムと自分の実際の体験を混ぜこぜにしながら、「人を傷つけないように」書く文章が面白いなと感じることが多い。中性的すぎず、自分の意見を持ちながら攻撃にはならないような内容にする。そんな感じ。

ブログ(文章)を作成するのに必要なポイントは

  • 読みやすさ(リズム、文量、構成)
  • 理解しやすさ(語彙、言い回し、具象度)
  • おもしろさ(センス、ユーモア、表現の豊かさ、視点の違い、暴露ネタなど)

だと思う。本を読んで知識を得て、それをブログ書いて言語化していけば上二つは上達しやすい。しかし、三つ目はわかりやすい文章を書いているだけでは見えてこないと思う。小説はおもしろさが大切で上を置き去りにしているものも多いし、勉強になるので読むべきだと思う。(村上春樹を読みやすいと思う人はいないだろう) 文章を上手くなりたいないと思うなら、たくさん読んでたくさん書いて訓練していくしかない。
文章を書く技術について考えながら自分の過去のポストを見るのは本当に古いコードをメンテしているのにも似ていて楽しいのでオススメ。

積ん読の管理

これを読んでまた大学の時にさらっと流し読みした「理科系の作文技術」をちゃんと読もうと思った。

こういった 次は何を読む を管理するのどうしようか迷う。 自分の中で熱が高い読書の優先度は日々変わるので、ただのスタック形式に読書をしようと思うとモチベーションが続かなくなる。 管理アプリとかでいちいち順番変えるのも面倒だし、最適解がまだわからない。 そうこうしているうちに積ん読は増え続けていくので、ただひたすら読み進めていくしかないんだろうか…


読書所用時間:約3時間
オススメ度:★☆☆☆☆

そういえば、はてなブログで変更のリビジョン見れると一番いいんだけどなぁ。 gistで書いてポストするのがいいだろうか。