これを買うきっかけになったのはもちろんアニメ「PSYCHO-PASS」の槙島聖護がした会話だ。この会話は本当に好きだ。
チェ: ディック…読んだことないなぁ。最初に一冊読むなら何がいいでしょう?
槙島: アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
チェ: 古い映画の原作ですね。
槙島: 大分内容が違う。いつか暇な時に比較してみるといい。
…
槙島: 紙の本を買いなよ。電子書籍は味気ない。
チェ: そういうもんですかねえ
槙島: 本はね、ただ文字を読むんじゃない。自分の感覚を調整するためのツールでもある。
チェ: 調整?
槙島: 調子の悪い時に本の内容が頭に入ってこないことがある。そういう時は、何が読書の邪魔をしているか考える。調子が悪い時でもスラスラと内容が入ってくる本もある。何故そうなのか考える。精神的な調律。チューニングみたいなものかな。 調律する際大事なのは、紙に指で触れている感覚や、本をペラペラめくった時、瞬間的に脳の神経を刺激するものだ。
映画も見ないとな。(ブレードランナーという作品)
「PSYCHO-PASSシリーズを見た - 道産子エンジニア」この記事で書いていたんだけど、 サイコパスを見てマイノリティリポートを連想したっていうのはなかなか察しがよかったなと。 そして逆にそこから何故もっと調べなかったのかと愚かさにも気づいた。
最新技術を使って再現されるずっと昔のSF作品であるマイノリティリポートやサイコパスのワンシーンに出てくるほど、 絶大な影響を与えた作品の作者が同じであったこと今更知った。そしてまた見たくなった。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
- 作者: フィリップ・K・ディック,カバーデザイン:土井宏明(ポジトロン),浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/03/01
- メディア: 文庫
- 購入: 70人 クリック: 769回
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そういう意味では初めてPhilip K. Dickの作品を初めて見たわけではないけど、紙で読んだのは初めてだ。 めちゃくちゃ面白かった。
これまでいろんなSF作品で人間と機械の境界が近づいていく作品は見てきたけど、彼を描く作品は違う。 それが人であるか機械であるかにかかわらず、人も人らしくなった機械も人らしさや機械らしさを持つことがある。 そしてその上でなお違うものだ。受け売りなんだけどマジで納得した。これからのシンギュラリティで、自分が生きている間にどこまで拝めるか楽しみだ。
最初の通り、1冊目におすすめです。
読書所用時間:約5時間
オススメ度:★★★★★