道産子エンジニア

毎週好きなこと書きます。

PSYCHO-PASSシリーズを見た

#1 犯罪係数

#1 犯罪係数

1月には攻殻機動隊をメインに見ていて、土日で思い立ったかのようにサイコパスを一気見してしまった。ざっと感想を雑に書く。OPもEDもめっちゃ作り込まれているあたりはさすがProduction I.Gだなぁと思いつつ、今日映画の日じゃん…と思っていたら、無意識に21時に映画まで予約していた…サイコパス日和です。映画を見終わってからこの感想をしたためている次第です。(1日寝かせました)強烈なネタバレ記事なので、まだ見ていない方は先に見ることをお勧めします。

制作とか

アニメ文化にハマるようになってから、スタッフロールや制作会社などについてよく見るようになった。アニヲタ文化なのかな?好きな声優とか好きな制作だと、制作チームが残した作品の共通点や遊び心にわくわくするし、あの人の声で聞きたい!!とかアニメの映像や内容だけでない部分にも目がいって、より一層楽しくなっていく感覚がある。醍醐味だよね。

総監督が踊る大走査線の本広克行とは、踊る大走査線好きの自分としてはよだれものです。OPにはそれを思わせるカットが多数採用されていて、あぁこれだ…ってなる。

脚本はまどマギの虚淵玄が来るということは血なまぐさい演出もあるということだな。うんうん。などと想像していたが期待を裏切らなかった。ホラー映画にハマっているのもあって、慣れてきている自分もいる。暴力的な映像や描写は、一見、受け手を残虐な性格に至らしめそうなイメージがあるが、本当は残虐な心を持っているからこそ、人は他者への同情や配慮などができるようになっていくと思う。本当に獰猛で残忍な動物は多分この世に存在しない。野生動物は捕食や防衛本能が働いているだけで、人間以外には、殺したいという衝動だけで他の動物を殺す習性はないはず。(専門ではないので詳しく知らないけど)描写はえぐえぐしているが、鮮やかな演出、恐ろしいほど脅威的でありつつ美しいドミネーターなど、わくわくする方が勝ると思う。

キャラクター原案はリボーンを書いていた天野明ってのは絵をみて納得。ドミネーターのデコンポーザーモードでぶっ放すシーンとかガンアクションはカッコいいです。ハァハァ

そしてそして、常守監視官の声は花澤華菜さん!!!これ大切!!!しびれる。しびれた。冷静に分析する声も最高だし、怒りに激昂する声もよい。すごい声優さんだなと改めて思う。

まぁ、俺の声豚話はその辺にしておいて、見るしかないじゃん!!!ってことです。

サイコパスという言葉の意味

最近よく使われる言葉の一つですね。以前の記事にも書きましたが、共通認識として使う言葉にしては一人歩きしすぎています。その話は置いといて、この作品においてサイコパスは科学的に人間の精神状態を数値化したものである。シビュラシステムはその中の犯罪係数を用いて、数値によっては犯罪を未然に防いだり、事件を起こす前に殺したりする判断材料としている。真っ先に思い出したのは、映画「マイノリティリポート」だった。予言者であるプリコグ達が人の犯罪を悪夢というカタチで予知して、トムクルーズを含む犯罪予防局が未然に防ぐ。そしてそのシステムを裏側で握っている上層部が、自分の犯罪を隠していることを暴いていく物語になっている。マイノリティリポートではそういう数値的なのは出てこなかったけど、何かを媒介して犯罪者を見つけるエネルギーや数値があるという点で似ているなと思った。自分のにわかSF好きではこの作品が思い出せる限界だった。今作品の中では「サイコパス」というのはもう少し広い概念で扱われていて、人間を選別する客観的データのようなイメージ。これはこれで悪くないし、サイコパスという言葉についてまた考えさせられる作品だったのでよかった。大量殺人者、殺人に対する抵抗の無い人間などという楽観的な意味で使われていないという意味で良かった。

どちらの作品も人が犯罪を起こすことを何か別の数値で測ることが可能になっている部分で似ているし、犯罪を無くしたいという人間の正義感?というか都合上、そういった概念の誕生は永遠に続くのだろうな。

近未来SFの妙味

攻殻機動隊もそうだけど、近い将来になるであろう、なっていてほしいという未来を描く作品ですが、攻殻機動隊よりも年月は進んでいる設定でも近代化はサイコパスの方が進んでいない。現代の科学技術の限界を顧みてるのか、攻殻機動隊との差をわかりやすくするためか、色々考え方はあると思うが、SF好きならすぐにあぁねとなる世界観である。科学が人間を支配、制御、統率する世界を思い描くのは人間の性なのだろうか。とにかく映像も含めてわくわくすることは間違いない。機械と人間のわかり合えるようでわかり合えない、支配できているようでできていない曖昧な世界で葛藤していく物語は、無機と有機の柔和のような(二元論申し訳ない)感覚を表現するのに打って付けだ。より、現代に近い描写の多さから、そう遠くない未来の設定は好きだ。なぜなら、機械だけには頼らないために人間が鍛錬するシーンなどが多いからだ。肉体を鍛え、脳を鍛え、技術を磨き、それを伝えていく人間本来の営みは美しい。単純にかっこいいキャラクターが厳しく自分を律することで成長していく様は、本を読んだりするのと同じく、自分を鼓舞してくれる。人間は人間の有り様を見て成長する。

シビュラシステムという神

生きた脳を247つ繋ぎ合わせて、人間の平和と秩序を保つシステムがシビュラシステム。人一人の人生から、社会の構造を全て決めるほどの統制を一つのシステムが演算してコントロールする。どんなSFでもでてきそうな唯一神となる存在がこの作品では上記のような位置づけ。1期では、免罪体質者という現行のシビュラシステムでは裁けない人間をシステム内に取り込むことでより完全に近づいていくというAIっぽい性質が強く描写されていた。2期ではカムイという男が、WC?(What Color?)というメッセージをシビュラシステムに向ける。これは、作中にでてくる「全能者のパラドクス」からシステムが内包する完全性の自己矛盾を試すためのメッセージである。カムイはシビュラシステムでは裁けない集合体のサイコパス(サイコパス自身の存在を裁けることになるので)を持っているため認識を拒んでいた。常守の意見によってシビュラシステムはそれを認識し、自分の完全性への矛盾を解決することでより成長を遂げる。作品を通じて、感情の無い機械的なAIの性格を持ちながらも、人間の脳の集合体であることや常守をそばにおいて的確な意見を素直に取り入れていくような人間性も持ったシステムであるが、自己成長しながらも行き過ぎた暴走行動を起こしているような風にも描かれている。いずれにせよ、完全なものはないという虚しさはなくならない。そして人間は協力すれば神になれるという、哀れな世界観も現実と変わらないように描かれている気もする。神は信じるのではなく、理解できないことを理解するために人間が作り出した概念という感じ?もっと神学を調べないとわからないなぁ。いい本を探してみようと思った。

攻殻機動隊の場合は神というより、人間の感情のような、その人をその人たらしめているもの(ゴースト)を機械が持つかどうかに主眼がある点が違う感じですね。その辺も見ていて面白い。

脱線するが、ここに来てアイヌ語が出てくるとは驚いた。神威(カムイ)はアイヌ語で神のことをさす。人々を導き、シビュラシステムへのレジスタンスとしての想像神という意味かもしれない。

同性愛描写ってなんであるんだろう

同期の(あまり話したことない)アニメ好きがいて、そのこがこの作品はジェンダーを思考するのが楽しいという感想を述べていたのが印象的だった。多分同期がいっているジェンダーと自分の思っているジェンダーは全然違うんだけど、最近のアニメの傾向としてある、同性愛っぽいものがこの作品にもあったので気になったのだ。サイコパスでは二つくらいわかりやすいのが描かれていて、しかもメインキャラクターである常守の恋?のようなものは描かれていないので余計目立つ。

狡噛と槙島

相手を考え抜き、お互いの思考は限りなく近づき、激しく運命の糸を絡めていく様、槙島を殺すまでと殺した後の狡噛の変貌などは愛情のようにすら感じてしまう。強く引き合う人間に愛があるわけではないが、人間とは近くにいる、思考を重ねる、相手を考えているだけでどんどん惹かれ合うものだと思うのです。

六合塚と唐之杜

こちらは完全にセックス後シーンもあるので同性愛なのだが、これはアニメ業界になにかある決まりことなんだろうか?同性愛自体を否定するわけではないが、教育としての役目を担っているようにも思えないし、なぜ毎度同性愛のような描写が最近のアニメには多いのか知りたくなっている。

ハッカーと犯罪者

攻殻機動隊でも笑い男のような超ウィザード級ハッカー、サイコパスでもシビュラシステムを発見して破壊しようとしたチェグソンなど凄腕のハッカーを描くのがこれまたProduction I.Gなんだろうか。ハッカーは美しく、強く描かれている。そして犯罪者の中で描かれる。攻殻機動隊の素子は逆だが。プロダクトのハッカーに対する敬意というかなんというか、そういうものを感じる。自分もエンジニアだし、そういう人間には憧れる。合理的であり、論理に基づいた的確な行動をとれるのは惹かれてしまう。思考の早さでコードを書けるようになりたい。もっと鍛錬しなきゃなどと全然関係ないのに思っていた。

技術書、小説、漫画、アニメ、映画、美術、音楽などなどもっとインプットして、自分の血肉としていく。今年は月に1回はブログ書くつもり(もう二月だけど)

あんまり重たい感想書くのは微妙だけど、ライトな感想を少しずつ貯めて、月末に放出するスタイルでいきたい。攻殻機動隊の感想もそのうち。(作品多すぎて頭パンクしてる)

サイコパスは1期は全22話、2期は全11話でOPとEDを省けば11時間程度。一日あれば余裕で見れます。(気合いと根性があれば。) ちなみにサイコパスのOPは1分20秒なのと、EDの間や後に次回の伏線を出したりするで参考までに。笑