道産子エンジニア

あなたは何事にも頭角をあらわしたことがない。

インターネットが繋がるまでに1ヶ月半かかった話

先週の金曜日にようやくインターネットが開通し、ようやく家でも快適な生活が送れるようになってきた。 インターネットは人権なので引っ越しから導入までに1ヶ月半かかったのはきつかった... 紆余曲折あったのだけど、結局は技術について自分で事前に調べて、交渉することが大事だという教訓を得た話。

爆速と噂のNuro光一択?

新しく光回線を導入するにあたり、以前の家では帯域の問題からか特定の時間帯だけ接続が異様に遅いなどがすごく嫌だった。チームや周りの人に聞いたところNuro光はやっぱめちゃ早いからいいぞというので、なるほど速度は確かに早いな…と思い、どうせなら国内最速の回線使ったろと軽い気持ちで申し込んだのだった。

Nuro光はSo-netが提供する光回線インターネットサービスのことであり、So-netはソニーネットワークコミュニケーションズという旧称からわかるようにソニー傘下のISPというわけだ。入居と同時に即申し込んだ。

家主 & NTT vs So-net

電話が嫌いなので、インターネット申し込みをした数日後、携帯にSMSが届き、導入可能なエリアなので早速宅内工事の日程を決めてくださいとのこと。よしよし、意外とすんなり進むし、このまま最速インターネットで快適なネットライフを送れると思っていた。この時の俺はまだ、1ヶ月半もインターネットを使えないことになるとは知る由もなかった。

宅内工事の連絡からややあって、ん?遅いなと感じたあたりからSo-netへの不審感が高まりつつあった。この辺から「So-net 工事 遅い」というキーワードが目についた。的を得ないオペレーターといくつかやりとりをかわし、宅内工事が終わった時点で申し込みから2週間が経過していた。ここからが長い戦いだった。So-netが言うには、宅内工事が終わってから10日前後で宅外工事ができると思うので、とにかくこちらから連絡をするまでは待ってほしいとのことだった。しかし、待てど暮らせど連絡が来ない。12日をすぎたころにしびれを切らしてSo-netへ電話をしたら、「NTTへ確認中です。NTTの作業が進まないことにはこちらも進みません。」という。その連絡を入れた直後くらいに、今度は家主から連絡がきた。(連絡するまで対応してなかったのではと思う)「So-netから光回線をマンションに導入したいと連絡があったが、うちのマンションは光回線を導入済みなので、新しく導入する必要はない。世話になっているNTTの人へ連絡するからしばし待ってくれ」とのこと。

この時点で双方の見解が異なり、事態の深刻さを把握していなかった俺はあまり調べずにSo-netへ即連絡した。さっさとインターネットが使いたくて仕方なかったのだ。家主の話が本当ならすぐに導入できるのではないか?と電話で聞いてみたら、「いえ、新規に回線を導入していただかなければいけません。」の一点張りだ。 それから、あれこれと家主、NTT、So-netの間でやりとりが繰り広げられたようだが、対応の遅さから時間が余っていたので、その間に携帯のか細いインターネットで「なぜSo-netの工事は遅いのか」を自分で調べてみることにした。

Nuro光、回線の速さと導入の遅さ

Nuro光で検索すれば二番目には「工事遅い」といった結果がでてくる。異様な状況だ…。使っている人はみな「導入がめちゃくちゃ遅いけど、使い始めれば早いのでまあ仕方ない」的な反応をする。あまりの遅さに呆れ果てた俺はそれでは納得できなかった。回線は国内最速だろうが、提供スピードが遅いのなら相対的に遅いのではないだろうか。

原因はどうやらその他のISPが提供するものと根本的に通信方式が違うかららしい。一般的なISPが提供する光回線はG-EPON(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)という方式で、これが普及した理由は、通信規格が名前の通りイーサネットをベースにしているためだ。つまり既存のLANで構築された環境を壊さずに導入ができる。これに対してNuro光が採用しているG-PONは、イーサネットも備えているがATM(Asynchronous Transfer Mode)なども混在していて、既存のものでは対応できない。既存のG-EPONと互換性がないので、同じPONでも別な回線を使わないといけないのが遅い理由だ。Nuro光ではダークファイバーという「配線されているが使われていない線」を使用するらしい。NTTは光ファイバーを近くの電線まで引っ張ってくるが、東京でもまだ通ってないところはたくさんあるので、これにまずかなりの時間がかかる。その後、電柱からマンションなどの家に引回す。さらにNuro光では主配線盤(MDF)内に200mm×200mmのスペースが必要らしく、これが確保できない場合はNuro光独自のMDFの設置が必要になる。光回線終端装置のONU(Optical Network Unit)を設置するのが宅内配線だが、既存の光回線がある場合でも既存の線に干渉しないように工事されるため、万が一キャンセルになった場合でも問題はないそうだ。

Nuro光は上記の仕組み構築が、導入が遅くなる根本的な原因となっているようだ。それさえ越えればG-EPONの二倍の2.5Gbpsを出せるのが特徴だ。理論値なのでNuro光のサービスとしては2Gbpsになっている。他にも一部地域のみに提供しているX-PONを使用した最大速度10Gbpsを提供できるサービスがあるらしい。

Nuro光を断念した

ここまで調べ尽くして、最終的にはNuro光を断念することになった。原因は、今の家にはG-EPONの仕組みがすでに整っているが、G-PONは新しく設置しないといけなく、So-netから提案された施工方法が物件の家主にOKをだしてもらえなかったことだ。もちろん家主が悪いわけではなく、家主は満足のいく施工方法への変更を提案したが、So-netはそういう柔軟な対応ができないと一点張りなので断ったそうだ。

So-netのカスタマーサポートは散々だった。技術的な質問をしても全く取り合ってもらえず、「とにかく〜してください」「それはできません」というような返事ばかりで、オペレーターは本当に末端の人で話にならなかった。家主が聞いていたというNTTの人もそこまで詳しいことがわかっていなかったようで、既存のもので十分対応可能だと勘違いしていたらしい。その辺のゴタゴタをメール越しで連絡しあっていたので兎角消耗した。

とりあえずNuro光はとにかく無理だなということがわかったので、既存の回線を使えば即使える別なISPへの変更を余儀なくされた。即連絡したけど。

フレッツ光+@niftyは契約期間指定なしにできる

フレッツ光で契約したので、その紹介で使えるインターネットプロバイダを10社の中から選ぶことになったが、どこも「安くする代わりに2年契約してね」的な感じになってるのがめちゃくちゃ嫌いだ。最近ではさらに安くする代わりに30ヶ月の契約期間が必要です的なことになっているらしくめまいがした。どのサービスをどれくらい使うかというのは個人の自由だ。契約期間は契約した月から始まるので、自分の生活スタイルをそれに合わせたりしないといけないのが嫌いだ。それを破ったら違約金だ!とか知らんがなという気持ちしかない。そういう面倒なのがないが一切安くなっていない @niftyに契約することにした。キャッシュバックだとか割引だとかに踊らされるのはごめん被りたい。

既存線で対応できたので申し込んでからわずか数日で宅内工事もなしに繋がり、ようやく我が家にインターネットが繋がったのだった。色々あったし、こんな面倒なら最初からNuro光など選ばなければよかったが、自分が無知だったため起きたと言えば間違いはない。人生学びばかりである。


インターネットプロバイダに限らず、中間の提供サービスを行う業者というのはなぜこんなに煩わしいサービス形態から抜け出せないのだろうか。法律のせいなのか、日本人の気性に合わせるとこうなるのか… 死んでもそういう仕事だけはしたくないな、といつも思う。複雑な料金体系やサービスの仕組みを使って巧みに消費者を騙し、自分たちの利益を得るような商売は社会にとって害悪でしかないと思う。