要点で学ぶ、デザインの法則150 ?Design Rule Index
- 作者: William Lidwell,Kritina Holden,Jill Butler
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/10/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読もうと思ったのはこのツイートみたこと。
これは文系脳の僕にとっては驚天動地だった。
— みたま (@mitama_) 2017年3月18日
「選択バイアスの罠」 pic.twitter.com/UuMgGcLmle
これは!ってなり、直感で買った。
Less and more.
こんな冒頭から始まるので、読んでみた感想を一言で表すと、「ノンデザイナーズデザインブックより断然こちらをみる方がタメになる!」という感じ。ハンドブックサイズなのでデスクに常駐させてもいい。
デザインってキーワードが入ってるから、デザインを仕事にしてる人向けだと勘違いされやすいのがもったいないかもしれない。
(逆にノンデザイナーズデザインブックはグラフィカルデザイン基礎とでも名前を変更したほうがわかりやすい気が…)
この本にはグラフィカルデザインに留まらない、人が感じる、普遍的な事物の美しさを抽象化した法則や人間の特性、情報設計の基礎が書かれている。
そして何よりこれらの内容が認知心理学、数学、物理学、統計学といった学問をベースとした理論に基づいているため、洗練されつつソフトウェア開発やグラフィカルデザインにも応用できる耐久性を備えているものが多い。
ソフトウェア開発でよく聞くものを上げれば
- 80:20の法則
- アクセシビリティ
- 開発サイクル
- ダニングクルーガー効果
- フィーチャークリープ
- ゲーミフィケーション
- kissの原則
- ライフサイクル
- プロトタイピング
- サンクコスト効果
などについて書かれている。
デザインに関しても
- アライメント・エリアアライメント
- 近接
といった、ノンデザイナーズデザインブックにあることから
- 輪郭線バイアス
- アフォーダンス
- 閉合
- フェイス率
- 黄金比
- メンタルモデル
- プライミング
のような無意識に感じている様々な理論が紹介されてる。
それぞれを説明をするのはこの本のルールに反するので、気になった人はぜひ読んで欲しい。
読んでいてソフトウェアと小説って似ているかどうか考えた話を書く。
ソフトウェアと小説
本で紹介されていた一つにストーリーテリングというものがあった。ストーリーテリングとはある事柄を説明するときに物語を用いることだ。物語には設定、筋書き、登場人物、世界観があり、それらによって生み出される心象、感情によって伝えたいことを相手に植え付ける。小説も物語だ。これを読んでいたとき、優れたソフトウェアは小説のようであるという話をたまに聞くことを思い出した。
この二つは共通点は多い。例えば
- 読者が理解できるように書く
- あることを伝える(実現する)文字の連なりである
- より優れた表現をするために推敲される
などがある。なんだか似ているような気がするが、持論では小説の中でも似ているものと似ていないものがあるだ。(ソフトウェアに似た小説はあるが小説ではないと思う)
もっとも似ていないなと思う部分は、ソフトウェアには筋書きがないことだ。
小説は起承転結、三幕構成であることが多く、ミステリー小説はこれがかなりわかりやすい。設定、世界観、登場人物を一章で書き、二章では筋書きが始まる、話が転じて暗雲が広がる三章、結末を迎える最後になる。構成がはっきりしているので、ソフトウェアはミステリー小説に近いだろう。
そして、ソフトウェアはつまらないミステリー小説かもしれない。つまらないミステリー小説とは転じるところがなく結末が先にわかるものだ。読みやすく、書いてあることが容易に理解できて、メンタルモデルに反しないものが優れたソフトウェアだとするとかなりつまらないミステリー小説だと思う笑
読書所用時間:約3時間
オススメ度:★★★★☆