この記事の最後で書いてたんだけど、「響〜小説家になる方法〜」がめちゃくちゃ面白いんだよねって周りに言ってたら昨日のプレスでなんとマンガ大賞!! 嬉しい!!!
マンガ大賞2017発表いたしました!|マンガ大賞 :: NEWS
やっぱいい作品だしこれからも楽しみ。応援していきます。
俺がなんでこの作品好きかという話をすると、
アーティストとしての小説家とそうでない小説家
を描いているからだなと気がついた。
やばかったら削除するけど、個人的にこのシーンが好き。
ネタバレせずに書くと、嫌なキャラの全盛期を過ぎた小説家に対して 「なんで生きてるの?」 と響がぶっこむシーン。
アーティストとしての小説家=表現者 だと信じて生きている響にとって、
全盛期を過ぎた=やりたいことをやりきった 人が生きている理由がわからない、
むしろ勝手に 死んでいる とまで思っていると面と向かって告げるシーン。
これは衝撃的だった。
自分の中の最高傑作ができたとき、アーティストは生きる意味を失うというのはよくある話じゃないだろうか。
仕事に熱心だった父親が定年退職したら急に萎える、イケイケの経営者がIPOしたら急に萎えるみたいなそういうの。
それでも生きていくしかない ライスワーカー (ライフワークと飯のために働くから考えた造語)としての小説家はどうするのか。
これは小説家に限った話じゃないし、「なにかやってやる!」と思ってる人にはいつか訪れるかもしれない瞬間だと思う。 俺はその瞬間を目指して人生を楽しむのがいいと思うけど、才能がそれをいとも簡単に手に入れさせてくれたら、いったい人はどうなるのか。
そんな漠然とした不安を想像しつつ、でも気になる!と引き寄せられ緊迫感を感じながら読み進めるこのマンガ。どハマりの理由はそこかも。
響の処女作はすでに一部で読まれていて、読者にはそれがわからないように話が進む。 その処女作がマンガのオチとなるのかどうなのか、そこもまた楽しみの一つ。
オススメです。
- 作者: 柳本光晴
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る