道産子エンジニア

悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する

リモートでメンバーの不安が見つかりにくい理由

先日のシャチョーとの1on1で

「リモートでメンバーの不安を見つけにくいのは、そもそも発信の負荷が高いから」

と話した内容を雑にまとめる。

仕事をしていれば大小関わらず色んな不安が生まれる。その不安をいい感じに吸い出して、スピード感もって改善していくのが組織のキホンである。 これがリモートになるととにかく難しい。これを読んでる人も何故なんだろうと考えたことがあると思うし、その対策をたくさん行ってるんだと思う。

  • 言いたいことを言いやすい環境を作る
  • 雑談の機会を増やす
  • 定期的にKPTを行う

とかいろいろある。でもなんかちょっと違う気がしながらやりつづけてないだろうか。

整理して考えてみた。

組織では陰陽の気持ちを抱えながらいろんな人が仕事をしている。人には心理的な距離と物理的な距離があって、オフィスがあるときはそれぞれの距離が現実世界でコントロールしやすかった。

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それはノンバーバルなコミュニケーションも行えるし、コミュニケーションではなく、単純によく観察することができたからだ。でも、リモートになるとそれが基本はフラットになる。

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こうなると、情報のオープンさ、アクセスのしやすさを意識して、メンバーは全てを「タスク」として処理し始めて、タスク以外のことを行いにくくなる。カレンダーが便利なのもあって、リモート以前よりもカレンダーを操作している時間が増えているし、予定も過密にテトリスをするように積み上げて効率化を進めてしまう。

こうなってくると、では課題は「共有の場(頻度でも時間でもいい)が少ないからだ」という考え方になって、上に挙げたような対策を行なっていく。ここで、不安がある人と不安を知りたい人のイメージはこうなっている。

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これも一部正しいんだけど、それよりも不安を感じている人が発信する必要があるのが難しくしていると捉えるのが正しそうだ。

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不安を感じた人が、「こういう不安がある」ドキュメントを用意して、テンプレートにしたがって「なぜ不安なのか」「原因はなにか」「どうすれば改善するか」「ネクストアクション」とか書くのは相当しんどいと思う。でも、リモートになってからはそうしないと物事を進めにくくなってしまった。これこそが、不安を打ち明けられずに、弾力を失う日々を過ごす原因になっていると思う。


じゃあどうするんだっけ?というのはあんまり正しい答えが分かってない。雑談の機会を増やしたからといって、面と向かっては言いにくいこともあるだろうし、「何か困ってることないですか?」と聞かれても、裏には「そのためにあなたはどう行動してますか?」と言われているように聞こえてしまって、正直に話せないかもしれない。何が良いだろう。

たまに「僕はこれをやめたい・やりたくない宣言」をするとかどうだろう。チームの輪を乱してしまうかもしれなくて、相当取扱注意だと思うけど。みんなはどうやって解決しているんだろう。